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健康と予防

更新日:2024.02.16

耳の中でガサガサ・プチプチ音がする…取れない時の直し方は?

耳の中でガサガサ・プチプチ音がする…取れない時の直し方は?

「頭を動かすと耳の中で音がする…」という症状が出たことはありませんか?
耳の中から音がする、というのは一度気になると生活に支障をきたしてしまいますよね。

今回はこのような症状が出た場合に考えられる代表的な原因について詳しく解説していきます。
対策や病院を受診する際の目安などご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

頭を動かすと耳の中で音がする原因は?

「頭を動かすと耳の中で音がする」という症状の原因を特定するためには、まず「どこから音が発生しているのか」や「何が原因で音が発生しているのか」を見極める必要があります。

外耳、中耳、内耳などの特定の部位の異常が原因で音を感じるケース、難聴やその他の体の問題によって音を感じるケースに分けて、代表的な症状と音の例を見ていきましょう。

耳の仕組みを理解しつつ、原因の特定のためにご自身の状態に近いものを探してみてください。

外耳が原因のケース「ガサガサ」「ゴロゴロ」

頭を動かした時に耳の中から「ガサガサ」や「ゴロゴロ」といった音がする場合は、外耳に問題があるかもしれません。

外耳は耳の構造上、一番外側に位置しており、異物などが混入しやすい場所でもあるため、それを取り除くことで症状の改善が見込めるかもれません。

外耳で考えられる音の原因は以下の通りです。

外耳道異物

外耳道異物は外耳道と言われる耳の穴から鼓膜までの3cmほどの管に異物が入った状態を意味します。

耳掃除の際に使用した綿棒の綿や、蛾やゴキブリなどの昆虫が外耳道に入り、ガサガサやゴロゴロといった音を感じる原因となります。
「まさか虫が」と思うかもしれませんが、知らないうちに入り込んでしまうということも少なくないようです。

ほとんどの場合、自力で取り除くことは難しく、無理に綿棒などで刺激すると鼓膜を傷付けてしまう可能性が高いため、医療機関を受診しましょう。

参考文献:恩賜財団済生会「外耳異物」
,https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/foreign_body_in_external_auditory_canal/,2023年4月11日

耳垢栓塞

耳垢栓塞は耳垢が耳の中に溜まって外耳道を塞いでしまった状態を意味します。

通常、耳垢は耳掃除を行わなくても自然に排出されるものですが、適切ではない耳掃除やケアによって耳垢が溜まってしまうと、上記のような音を感じる場合があります。

関連記事:耳垢をごっそり取る方法は?自分でやる際のコツと注意点を解説!

水が入っている

シャワーや洗髪の際に外耳道に水が入ることがあり、これが音を感じる原因となることがあります。

鼓膜に水が付着すると閉塞感や違和感を伴うことがありますが、耳に入った水は通常30分ほどで蒸発します。

無理に綿棒などで触ると外耳炎の原因になるため、焦らずに様子を見るようにし、2~3日経っても違和感が続く場合は医療機関を受診しましょう。

中耳が原因のケース「プチプチ」「ポコポコ」「バリバリ」

頭を動かした時に耳の中から「プチプチ」や「ポコポコ」、「バリバリ」といった音がする場合は、中耳に問題が起きているかもしれません。

中耳が原因で音を感じる場合は、中耳炎や鼻炎などが併発しているケースがあります。
そのため、まず以下のような病気の治療を優先させることで症状の改善が見られるかもしれません。

中耳で考えられる音の原因は以下の通りです。

滲出性中耳炎

滲出性中耳炎は、鼓膜の奥に滲出液と呼ばれる液体が溜まる病気です。

急性中耳炎にかかってしまった後などに、溜まった膿から出た滲出液がうまく排出されずに残ってしまうことでポコポコといった音を感じることがあります。

中耳炎の時のような痛みがないが耳が詰まった感覚がある、鼻水などが出ている場合は滲出性中耳炎の可能性があるため、医療機関を受診してみましょう。

耳管狭窄症

耳管狭窄症は、耳と鼻の奥をつなぐ耳管が狭くなり耳の空気調整ができなくなる病気です。

滲出性中耳炎や鼻炎と併発して起こることが多く、同じようにポコポコといった音を感じることがあります。

大人にも多い病気で、耳が詰まったように感じたり、自分の声が響いて聞こえるといった症状が起こります。
症状が軽い場合は自然に良くなることもありますが、気になる場合は医療機関を受診しましょう。

耳管開放症

耳管開放症は耳と鼻の奥をつなぐ耳管が開いた状態になってしまう病気です。

症状は耳管狭窄症と似ていて、耳が塞がったように感じたり、自分の声や呼吸がこもったように聞こえて、耳管の動きが悪い時に唾を飲み込むと「バリバリ」といった音を感じることがあります。

ストレスや鼻をすする行為によって症状が悪化しやすくなります。
耳管狭窄症と同様、症状が軽い場合は自然に良くなることもありますが、気になる場合は医療機関を受診しましょう。

内耳が原因のケース「ゴボゴボ」「サー」

頭を動かした時に耳の中から「ゴボゴボ」や「サー」といった音がする場合は、内耳に問題があるかもしれません。

中耳と内耳の病気は発症の原因が共通していることも多く、中耳の病気が内耳の原因になっていることもあれば、その逆も考えられます。

内耳で考えられる音の原因は以下の通りです。

外リンパ瘻

外リンパ瘻は内耳の中を満たしている外リンパ液という液体が、何らかの原因で中耳に漏れ出してしまう病気です。

ダイビングや飛行機に乗った時、また鼻を強くかんだ時など、外からの圧力が外リンパ瘻が起こる主な原因となります。

水が流れるような「サー」という音や、水中で起こる「ゴボゴボ」いった音を感じるほか、平衡感覚の異常や耳の閉塞感、吐き気や嘔吐なども症状として起こることがあります。

難聴が原因のケース「キーン」「ボー」「ゴー」

耳の中から「キーン」や「ボー」「ザー」といった音がする場合は、難聴が原因かもしれません。難聴の初期症状のひとつとして耳鳴りが起こることがあります。

耳鳴りなどの音を感じる他に、聞こえづらえさを伴う場合はまず医療機関を受診することをお勧めします。

耳鳴りを伴う代表的な難聴は以下の通りです。

突発性難聴

突発性難聴は、ある日突然、朝起きて耳が聞こえにくくなったり、電話での相手の話し声が聞こえづらいといった症状が片耳(まれに両耳)に起こる難聴です。
耳鳴りやめまい、吐き気、耳閉感を伴うこともあります。

突発性難聴によって起こる難聴の程度には個人差があり、耳が詰まった感じがする軽度なものから、注意しないと相手の声が聞こえにくいといったもの、呼ばれた声に全く気付かないほどの重度のものまで様々です。

突発性難聴が原因の耳鳴りは、「キーン」という大きな耳鳴りを感じることが多いようです。

関連記事:突発性難聴の耳鳴りの特徴、治療方法とは?
関連記事: ストレスと突発性難聴は関係ある?仕事への影響についても解説

急性低音障害型感音難聴

急性低音障害型感音難聴は、周波数の低い音だけが聞こえづらくなる難聴です。

具体的な症状としては「ボー」「ゴー」という音を感じるほか、低い音が聞き取りづらい、耳に水が溜まっているような感覚、周りの音が響くように感じるなどがあります。

働き盛りの20代~40代の罹患率が高く、睡眠不足や日頃のストレス、慢性的な体の疲れが原因とされています。

関連記事:難聴にはどんな種類があるの?

音響外傷・騒音性難聴

音響外傷・騒音性難聴は、大きな音を聞いた後に耳の奥の感覚細胞がダメージを受けて起こる難聴で、「キーン」「ボー」「ゴー」などといった耳鳴りを伴うことがあります。

コンサートやライブ会場、イヤホンなどで大きな音を聞いた時や、空港や工事現場など大きな音が鳴っている環境で過ごしている方に起こりやすい難聴です。

大きな音を聞く環境から離れて、数日経てば回復することが多いと言われていますが、重症であった場合は耳鳴りや難聴の症状が治らないこともあります。

関連記事:現代人に増えている難聴とその原因、対処法とは?
関連記事:耳鳴りに耳栓は有効?使う前に気を付けたいこと

筋肉が原因のケース「ボコボコ」「トコトコ」

耳の中から「ボコボコ」や「トコトコ」といった音がする場合は、耳の筋肉に問題があるかもしれません。耳の中や耳の周りには筋肉があり、ストレスなど加わることによって筋肉に異常が起こると通常は聞こえない音が聞こえる場合があります。

詳しい音の原因は以下の通りです。

筋肉の痙攣

鼓膜を引き締める筋肉や、耳の周りの筋肉が痙攣し、これが原因で耳の中で「ポコポコ」「トコトコ」というような音を感じることがあります。

目の疲れを感じた時にまぶたがピクピクと痙攣した経験がある人も多いと思いますが、同じように耳にもそのような現象起こることがあります。

ほとんどは睡眠不足やストレスが原因とされているため、十分な睡眠と休養で症状は改善すると言われています。
疲れを溜めないようにすれば、筋肉の痙攣による耳鳴りは防げるので、日頃から十分な休息や睡眠をとるように心がけましょう。

医療機関受診の目安

ここまで、「頭を動かすと耳の中で音がする」原因について解説しましたが、以下の項目の中に該当するのがある方は医療機関の受診を検討しましょう。

・耳の聞こえが悪くなっている
・めまいやふらつきがある
・耳に痛みや耳垂れがある
・病気の可能性がある
・3日以上経っても違和感が続く

特に、聞こえ方の悪化や難聴のような症状感じる場合、中耳炎などの耳の病気が疑われる場合は早めに耳鼻咽喉科の受診を検討してください。

また、はじめに紹介した外耳の異物や耳垢が原因と考えられる場合にも、自分で綿棒などを使って無理に取り除こうとすると、かえって奥に押し込んでしまったり、鼓膜に傷がついて外耳炎などの原因にもなりかねないため、耳鼻咽喉科を受診して適切な処置を受けるようにしましょう。

聞こえづらさにピンときたら「オリーブの集音器」

オリーブユニオンでは、手に取りやすいスタイリッシュなデザインの集音器を扱っています。
最大の特徴は「聞こえのセルフ調整ができる」という点で、音を聞きたいシーンに合わせて、好きな時に、納得がいくまで、自分で調整を行うことが可能です。

聞こえづらさを放っておくと、将来的な難聴や認知症のリスクを高めます。
会話が聞き取りづらいことや、テレビやラジオの声が聞き取りづらいと感じることがあれば、音楽用イヤホンとしても使える、機能が充実したオリーブの集音器がおすすめです。

まとめ

今回は「頭を動かすと耳の中から音がする」原因についてさまざまな視点から解説しました。

体の中で聞こえる音を言葉で例えるのは難しいですが、「ガサガサ」や「ポコポコ」など、皆さまの症状に当てはまるものに近い音はあったでしょうか?

耳の中から音がする原因には、耳垢や異物以外にも、難聴や耳の病気が隠れているケースもあります。
「こんなことで病院に行くのは…」と軽視せず、医療機関の受診の目安も参考にしていただきながら、症状の解決にお役立ていただければ幸いです。

ミミマガジン編集長

大竹 舞

Mai Otake

新潟県出身。保険診療・自由診療の医療機関で接遇・販売を経験したのち、マーケティング部門でオウンドメディアの運用を担当。その際に突発性難聴を発症(現在は完治)。オリーブユニオンに入社後はマーケティング部に所属。自身の難聴経験を活かし、幅広い世代が抱える耳鳴りや難聴の悩みに対して、“わかりやすく、かつ身近な問題として感じてもらえる”をテーマに、ミミマガジンの運用・コラムの執筆にあたる。

大竹 舞

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