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健康と予防

更新日:2024.07.05

メニエール病の症状や原因、治療方法とは?

メニエール病の症状や原因、治療方法とは?

今回は、吐き気がするほどのめまい、耳鳴り、難聴など、日常生活に支障をきたしてしまうこともある「メニエール病」についてご紹介します。
その症状や治療法、対策などを見てみましょう。  

メニエール病の症状とは 

メニエール病の特徴

メニエール病とは、耳の異常でめまい、耳鳴り、難聴を引き起こす病気です。
ぐるぐると周囲のものが回転するようなめまいや、ふわふわと体が浮くような浮動性のめまい、吐き気、難聴、耳鳴り、耳の閉塞感をうったえる症状で、再発を繰り返すものです。

発作的なめまいにおそわれ、それが起こる頻度は、数分、数時間、週に1度、年に1度など人によって異なります。
発作を繰りかえすことで耳鳴りが慢性化してしまったり、難聴が進行してしまったり、また、平衡感覚の乱れが定着してしまったりと、完治するのが難しくなる恐れもあります。

そのため、一度症状が出た時点で、すぐに耳鼻咽喉科に相談することが大切です。

メニエール病にかかりやすい人

30~50歳代の働く世代に多いといわれており、仕事や多忙によるストレス、疲れ、睡眠不足などが引き金になるケースが報告されています。
一方、高齢者には少ないという特徴があります。

メニエール病の症状

メニエール病の症状にはめまい、耳鳴り、難聴などがあります。
多くの場合はこれらの症状が併発して起こりますが、どれか一つのみが起こる場合もあります。
症状の各特徴は以下の通りです。

■めまい
・回転性のめまいが突然起こる
・回転性のめまいが1時間〜数時間続く
・めまいにふらつきや吐き気や嘔吐を伴う

■耳鳴り
・「キーン」という耳鳴りが起こる
・片耳に耳鳴りが起こる
・発作前や発作中に耳閉感や圧迫感がある

■難聴
・片耳が聞こえづらくなる
・低音が聞き取りにくくなる
・音が響いて聞こえる

メニエール病の原因・メカニズムとは?

耳の構造は大きく分けて「外耳」「内耳」「中耳」と分かれていますが、その「内耳」を満たしている内リンパ液が過剰にたまり、水ぶくれを起こしてしまうこと(=内リンパ水腫)が原因と言われています。

また、内リンパ液の水腫の内圧が高まると、内リンパ液と外リンパ液の間を区切る膜が破れてしまい、内リンパ液と外リンパ液が混ざりあってしまうことでめまいが起きると考えられています。
リンパ液は健康な方の「内耳」にも入っており、この液体は分泌と再吸収を繰り返しながら、絶えず一定量に保たれています。

しかし、この液体の量が過剰になると、「水ぶくれ」が引き起こされてしまうのです。
現在のところ、リンパ液が増える原因には、ストレス、睡眠不足などが関係していると言われていますが、まだ解明されていないことが多いようです。

メニエール病の治療

メニエール病の基本的な治療法は生活習慣の改善です。
生活習慣を改善することによって症状が緩和され、めまいの予防につながるケースが多いです。
主な対策方法としては、以下の四つがあげられます。

一つ目は、自身が抱えるストレスの原因を明らかにして、それを解消することです。
十分に睡眠をとって疲労を解消することや、積極的にリフレッシュしてストレスをためないことが大切です。

二つ目は、塩分を過剰に摂取しないことです。
塩分を摂取しすぎると、体内の塩分濃度を調整するために体内に水がたまりやすくなるため、減塩を心がけることが必要です。

三つ目は、適度に水分を補給することです。
メニエール病は内耳が水ぶくれのような状態になることが原因のため、水分補給は控えるべきだと思ってしまうかと思いますが、体内の水分が減りすぎると逆に水分が排出されにくくなります。
水分をきちんと排出するためにも、水分を適度に補給することが必要です。

四つ目は、適度な運動をすることです。適度に体を動かすことによって、ストレスを解消するだけではなく、耳の血液の流れを改善することができ、それが症状を緩和することにつながります。とりわけ、ウオーキングやジョギングなどの有酸素運動が効果的とされています。

メニエール病 薬による治療

メニエール病の治療で行われる主な薬物療法は次の3つです。

1.利尿剤
内耳への圧力を軽減するために使用されます。
比較的安全度が高く長期間の投与が可能ですが、頻繁な排尿が必要になるとった点があります。

2.抗めまい薬
めまいの発作などがある場合、症状を和らげることを目的として使用されます。
短期間で効果を発揮することが多いですが、長期間の投与は推奨されていません。

3.抗吐き気薬
吐き気や嘔吐などがある場合、症状を和らげることを目的として使用されます。
発作時の苦痛を軽減させることができますが、抗めまい薬と同様長期間の投与は推奨されていません。

メニエール病が薬で改善しない場合

ここまでに挙げた生活習慣の改善や薬物療法で症状が改善しない場合、以下のような治療が検討されます。

リハビリテーション

めまいや平衡感覚の問題を改善するためのリハビリテーションです。

視覚安定化を測るための「視覚固定運動」では、指やペンを目で追いかけることで、頭や目の動きによるめまいを軽減させます。
他にも、立った状態や座った状態でバランスを保つ「バランス訓練」、体の位置を調整する「姿勢訓練」が行われることがあります。

これらのリハビリテーションは、理学療法士や専門の指導医との相談をもとに、症状や進行度に合わせてプログラムが構成されます。

外科的治療

重度になると外科的治療を行うケースがあります。

「内リンパ嚢解放術」は内耳にある内リンパ嚢を排出する手術で、これによってリンパ液の排出が促進され、圧力が軽減されます。
「中耳加圧療法」という中耳に圧力を加える治療では、圧力を加えることによってない内リンパの循環を促します。
「鼓室内薬液注入法」では、鼓室に抗菌薬を注入し、三半規管の過剰な働きを抑えることでめまいの発生を予防します。

漢方薬・鍼灸

漢方薬や鍼灸といった補完代替療法と呼ばれる治療を行うケースもあります。

漢方薬を用いた治療では、体の水分量を調整してめまい等の症状を和らげる「五苓散」「柴苓湯」「苓桂朮甘湯」などが処方されます。

鍼灸の治療では、鍼(はり)と灸(きゅう)を用いて身体の自然治癒力を高め、めまい等の症状を改善することを目的としています。

補完代替療法は一部の患者には効果があるとされていますが、効果の感じ方の個人差が大きいとされています。

メニエール病と突発性難聴の違い

メニエール病と似ている疾患に突発性難聴が挙げられます。
2つの違いは以下のとおりです。

メニエール病突発性難聴
めまいの特徴10分〜数時間ある人もいればない人もいる
めまい・難聴の発作繰り返す繰り返さない
難聴の特徴低音が聞こえにくくなる突然聞こえにくくなる
きっかけストレスや疲労ストレスや疲労

メニエール病に関する検査・診察

メニエール病は、繰り返す病気なので、一度めまいや難聴、耳鳴りの症状が起きただけでは判断されにくいことがあります。
一度症状が出たら、もちろん耳鼻咽喉科へ行く必要がありますが、繰り返す場合はメニエール病を疑い、十分な問診を受けることになります。

メニエール病はすぐに診断できる病気?

メニエール病は厳密な診断基準に従って診断されるもので、めまい=メニエール病となるわけではありません。
その診断基準は「難聴、耳鳴り、耳が詰まる感覚などの聴覚症状に伴うめまい発作を反復すること」です。めまいや難聴などの発作が一度起きただけではメニエール病と診断することはできず、その発作が繰り返し発生していることが診断するうえで重要なポイントとなります。

このような診断基準をきちんと満たしたうえで、めまいや難聴を伴う他の類似の病気の可能性を除外できたものが「メニエール病確実例」と診断されます。
聴覚症状のみ、またはめまいのみを反復するものに関しては「メニエール病非定型例」となります。

難聴の程度

ヘッドホンから流れるさまざまな周波数の音を聞くことによって、聞くことができる音域や難聴の程度などを調べます。
低い音が聞こえにくいのがメニエール病の主な特徴となっており、症状がそれに当てはまるかどうかを確認する必要があります。

内耳の水ぶくれの状態

画像検査で内耳の画像を撮影し、リンパ液がどこに、どれほどたまっているかを確認します。
聞こえに関係する症状が生じやすいのは蝸牛の水ぶくれが大きい場合です。
一方、三半規管の水ぶくれが大きいと、めまいが起こりやすく、聞こえに関係する症状は生じにくいです。

目の動き

内耳に障害があると、「眼振」という眼球がけいれんするように動いたり揺れたりする異常が起こります。
特殊なめがね(フレンツェルめがね)を装着した患者の頭を、医師がいろいろな位置に動かすことによって、「眼振」が発生するかどうかを検査します。

体のバランス

目を閉じたまま、両手を前に伸ばしてその場で50〜100歩ほど足踏みをすることで、体のバランス感覚(平衡感覚)の状態を確認します。
内耳に異常がある場合、その場にとどまることが難しくなります。めまいの症状がひどい場合に実施すると危険なので注意が必要です。

メニエール病にならないために気をつけること

メニエール病を予防するために、普段からできることを実践してみましょう。

過労や睡眠不足を避け、疲れを溜めないようにする
気晴らしになる趣味や運動をして、ストレスをためないような生活習慣を心がける
塩分(ナトリウム)、お酒・たばこ・カフェインは控える

そのほかにもこまめな水分補給を勧められることもありますが、心臓や腎臓に疾患のある人は主治医と相談しましょう

まとめ

メニエール病は付き合い方さえ分かって対処していけば、いつか改善できる可能性もあります。
また、普段からストレスをためていたら、メニエール病を予防するためにできることを実践してみることも大切です。
心と体の健康のため、できることから対策を行ってみましょう。

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