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健康と予防

更新日:2024.06.11

耳が詰まった感じがする…耳閉塞感・耳詰まりの簡単な治し方とは?

耳が詰まった感じがする…耳閉塞感・耳詰まりの簡単な治し方とは?

耳が詰まった感じ=耳閉塞感は、多くの人が経験したことのある症状だと思います。
しかし、時には耳の病気や難聴などや重大な疾患によるケースもあり、その場合はなるべく早い対処が必要になります。
今回は耳閉塞感の原因や治し方について、様々な角度から解説していきます。

耳が詰まった感じがする原因は?

耳が詰まった感じがして不快だ、音がこもって聞こえづらいような気がする、などといった症状を耳閉塞感(じへいそくかん)と言います。

風邪を引いた時や鼻水をかんだ時、飛行機に乗った時やトンネルに入った時など起こるシーンは様々ですが、通常は一時的なものが多く、唾を飲み込む、あくびをするなどで解決する場合が多いようです。

しかし、耳閉塞感は何かしらの病気が原因で引き起こされている場合もあり、長時間悩まされることもあります。

耳閉塞感の原因なり得る疾患について、「外耳」「中耳」「内耳」「その他」の4つに分けて詳しく見ていきましょう。

【外耳】耳が詰まった感じがする原因

外耳は耳垢や耳からの分泌物による細菌の感染などが起こりやすい部分です。
外耳が原因で耳閉塞感を伴う代表的な疾患は以下の通りです。

耳垢栓塞

耳垢が耳の中に溜まり、耳の穴が狭まったように感じたり、詰まったように感じたりすることがあります。

外耳道異物

虫やゴミなの異物が耳の穴に入り込み、違和感を覚えたり耳が詰まったように感じたりすることがあります。

外耳道炎(外耳炎)

耳かきや耳掃除などの際に耳の穴から奥に続く外耳道が傷つき、炎症が起こることで耳が詰まったように感じることがあります。

外耳道湿疹

耳かきや耳掃除などの際に外耳道の皮膚が剥がれたり傷ついたりすることで起こる疾患です。
耳の中に異物感を覚えたり、かゆみや閉塞感を覚えたりすることがあります。

外耳道真菌症

何らかの原因で外耳道に真菌(カビ)が繁殖し、強いかゆみや耳だれ、耳が詰まったように感じることがあります。
耳の中の湿度が高い状態が続くと菌が繁殖しやすくなります。

関連記事:耳垢をごっそり取る方法は?自分で耳掃除をする時の注意点を解説!
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【中耳】耳が詰まった感じがする原因

耳閉塞感の原因の中で最も多いと言われているのが中耳で起こる障害です。
中耳が原因で耳閉塞感を伴う代表的な疾患は以下の通りです。

急性中耳炎

風邪や鼻炎などで炎症が起こった際に細菌が中耳に細菌が入り込むことで起こる疾患です。
痛みや発熱を伴うのが特徴で、炎症により耳管が塞がった状態になるため耳が詰まったように感じることがあります。

浸出性中耳炎

急性中耳炎が治りきっていない時や、鼻・喉の炎症がある際に起こりやすい疾患です。
痛みや発熱がないのが特徴で、耳管の働きが悪くなることで中耳に液体が溜まり、耳が詰まったように感じることがあります。

慢性中耳炎

急性中耳炎が治らず鼓膜に穴が空いた状態になり耳だれを繰り返す疾患です。
耳から膿や液体が出るため、耳の中に違和感を覚えたり耳が詰まったように感じたりすることがあります。

耳管狭窄症

耳と鼻を結ぶ耳管がつまることによって耳が詰まったように感じます。
多くの場合は風邪や鼻炎など鼻に炎症が起こることで耳管の鼻側の開口部分が塞がることで起こります。

耳管開放症

耳管狭窄症とよく似た疾患で、鼻や耳管の周囲に炎症が起こることで耳管が開きっぱなしなり、耳に閉塞感を覚えたり、自分の声が大きく聞こえたりします。
耳管開放症は若い女性と初老の男性に多く、疲れや睡眠不足、急な体重が減少などで起こることもあります。

関連記事:片耳が聞こえない時の対処法は?今からできる予防法も紹介
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【内耳】耳が詰まった感じがする原因

内耳は音を感じ取る役割と、バランス感覚の機能を担っている部分です。
一度障害が起こることで聴力の回復が難しくなることもあります。
内耳が原因で耳閉塞感を伴う代表的な疾患は以下の通りです。

内耳炎

細菌やウィルス(インフルエンザなど)が原因で内耳に炎症が起こる疾患です。
これにより、難聴や耳鳴り、閉塞感が起こることがあります。
また、めまいなどの平衡障害が現れることもあり、このような症状が単独で起こることも併せて起こることもあります。

突発性難聴

原因もなくある日突然片耳(稀に両耳)の聞こえが悪くなる疾患です。
ほとんど聞こえなくなる重度の難聴症状がでるものから、耳閉塞感を感じる程度の軽度のものまであります。
突発性難聴はどのような症状の程度でも早急に治療を受けることが大切です。

低音障害型難聴

低い音の聞こえが悪くなる疾患です。
明確な原因は不明ですが、内耳にある内リンパという器官に組織液が溜まることで、低い音の耳鳴りがしたり、耳が詰まったように感じたりする症状が現れます。

メニエール病

低音障害型難聴と同じく内リンパにリンパ液が溜まることで、耳鳴りや耳の閉塞感、難聴を引き起こします。
メニエール病で特徴的なのは回転性のめまいが起こる点で、強い吐き気を伴うこともあります。

外リンパ瘻

頭部の打撲や外傷、強く鼻をかむ、急激な気圧の変化など何らかの強い力が加わって内耳の外リンパが漏れでることで起こる疾患です。
耳閉塞感の他、めまいや難聴、耳鳴り、平衡障害を伴うことがあります。

関連記事:突発性難聴の耳鳴りの特徴は?原因・治療方法を解説
関連記事:メニエール病の症状や治療、予防方法とは?

【その他】耳が詰まった感じがする原因

直接的に耳が原因でない場合にも体の他の部分が原因で耳閉塞感を感じることがあります。
その他の原因で耳閉塞感を伴う代表的な疾患は以下の通りです。

風邪/アレルギー性鼻炎/花粉症

風邪やアレルギー性鼻炎、花粉症になどによって鼻が詰まると、耳管が塞がれ中耳に空気が送られなくなることがあります。
これが原因で中耳の内圧が下がり、鼓膜が中耳の方へひっぱられることで音がこもって聞こえたり閉塞感を覚えたりすることがあります。

顎関節症

顎関節症はさまざまな全身症状を引き起こすことがあり、耳閉塞感もその一つとして古くから報告されています。

聴神経腫瘍

聴神経腫瘍は良性腫瘍の一つで、音を伝える役割の部分に発生することで片耳の聞こえづらや、耳鳴り、めまいなどを引き起こします。
初期の症状として聴力低下や耳閉塞感を伴うことがあります。

新型コロナ感染後に耳が詰まった感じがする原因

近年、新型コロナ感染後に耳閉塞感を訴える人が増えています。
具体的な原因は解明されていませんが、風邪などと同様に、鼻炎や鼻詰まりによって耳管に障害が起こることが原因と考えられています。

耳が詰まった感じがする時はどうするべき?

ここまで、耳閉塞感の原因なり得る疾患について解説してきましたが、耳閉塞感を伴う疾患は非常に多く存在することがお分かりいただけたかと思います。
これほどまでに多くある疾患を自分自身でどれであるのか見極めるのは非常に困難とも言えます。

医療機関受診の目安として以下の4つを参考にしていただき、必要に応じて医療機関で医師による診断を受けましょう。

<医療機関受診の目安>
1.長時間にわたって耳閉塞感が治らない
2.耳閉塞感がかなり強い、または次第に強くなっている
3.耳閉塞感のほかに痛みや赤み、耳だれなどの症状ある
4.耳閉塞感の他に難聴や耳鳴りの症状がある
5.耳閉塞感の他にめまいやふらつきの症状がある

耳閉塞感を訴える人の多くは難聴の症状があるという一方、ほとんどが難聴の自覚症状がないと言われています。
特に上記で挙げた項目の4つめと5つめに少しでも当てはまるものがある場合は早急に医療機関を受診することをお勧めします。

自分でできる耳の詰まり対処法

最後に、自分でできる耳閉塞感の対処法と、耳閉塞感を感じている時に控えるべき行動についてお伝えします。

耳の詰まり対処法3選

あくびをする

軽度であれば、あくびをすることで耳管が開放し症状が改善されます。
大きく口を開けて息を吸い込み、ため息をつくように吸い込んだ息を吐き出しましょう。

水分を摂る

軽度であれば、水分を摂ることで水を飲み込む際に耳管が開放し症状が改善されます。
アメをなめる、ガムを噛むことも効果的です。

耳抜きを行う

上記の2つで自閉感が解消されない場合は耳抜きを行いましょう。
耳抜きの手順は以下の通りです。
1.口を閉じた状態で鼻をつまむ
2.喉から耳に空気を送るイメージで息む

耳の詰まりがある時のNG行動3選

耳の詰まりが感じている時に、鼻や耳に強い刺激を与えると症状が悪化する恐れがあります。
下記の行動には気をつけましょう。

<耳の詰まりを悪化させるNG行動3選>
・鼻を強くかむ
・耳かきで強く耳の穴を刺激する
・耳抜きを強く行う

聞こえづらさにピンときたら「オリーブの集音器」

オリーブユニオンでは、手に取りやすいスタイリッシュなデザインの集音器を扱っています。
最大の特徴は「聞こえのセルフ調整ができる」という点で、音を聞きたいシーンに合わせて、好きな時に、納得がいくまで、自分で調整を行うことが可能です。

聞こえづらさを放っておくと、将来的な難聴や認知症のリスクを高めます。
会話が聞き取りづらいことや、テレビやラジオの声が聞き取りづらいと感じることがあれば、音楽用イヤホンとしても使える、機能が充実したオリーブの集音器がおすすめです。

まとめ

今回の記事では耳が詰まった感じがする時の原因として考えられる疾患と、簡単に行える対処法について解説しました。

本文でも触れていますが、耳閉塞感は時に重大な耳の病気のサインとなっていることもあります。
後半でご紹介したような対処法を試してすぐに治る場合は過度に気にする必要はありませんが、長時間にわたって症状が続くようなことがあれば、お近くの医療機関を受診されることをお勧めします。

ミミマガジン編集長

大竹 舞

Mai Otake

新潟県出身。保険診療・自由診療の医療機関で接遇・販売を経験したのち、マーケティング部門でオウンドメディアの運用を担当。その際に突発性難聴を発症(現在は完治)。オリーブユニオンに入社後はマーケティング部に所属。自身の難聴経験を活かし、幅広い世代が抱える耳鳴りや難聴の悩みに対して、“わかりやすく、かつ身近な問題として感じてもらえる”をテーマに、ミミマガジンの運用・コラムの執筆にあたる。

大竹 舞

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