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健康と予防

更新日:2024.02.16

【診断テスト】大きい音が苦手な“聴覚過敏”の原因や治し方とは?

【診断テスト】大きい音が苦手な“聴覚過敏”の原因や治し方とは?

日常生活の音で疲れやすい…特定の音が不快で耐えられない…最近耳の調子が悪い…もしかしたらそれ、聴覚過敏かもしれません。

今回は聴覚過敏について知りたい人に向けて、聴覚過敏の症状や原因、治療法や対策、十分に治るのかやストレスが関係あるのかについて詳しく説明していきます。

聴覚過敏とは

聴覚過敏とは、日常のなんでもない音が過度に大きく聞こえたり響いたりし、苦痛や不快感を感じる症状です。
例えば、掃除機やドライヤーの音が耳に突き刺さるように感じたり、相手の話し声が背景の音と混じって集中できないなどがあります。

聴覚過敏には明確な定義はなく、医師によってその捉え方が異なります。
そのため、違う医師に診てもらったら違う診断結果が出たなんてこともあるかもしれません。

いずれにしろ、聴覚過敏は身体的・精神的負担が大きく、日常生活に支障をきたすこともあります。
また、背後に別の病気が潜んでいる可能性もあります。
自己判断で放っておかず、医師に診てもらうなどして治療を試みることが大切です。

聴覚過敏チェックリスト

聴覚過敏について10個のチェックリストをご用意しました。
ご自身の聴覚のお悩みにいくつ当てはまるか、一緒にチェックしてみましょう。

【聴覚過敏チェックリスト】

人が気にならないような音に反応する
何でもない音が大きく響き不快に感じることがある
人の多い場所にいると疲れたり体調不良を起こしたりする
人の話し声が気になって集中できないことがある
冷蔵庫やエアコン、秒針など家電の音が気になる
大きな音を聞くと不安を感じたりパニックになったりする
大きな音でなくても耳を塞ぎたくなることがある
特定の音が気になり頭痛やめまいを起こすことがある
子供や赤ちゃんなどの声や甲高い声を苦手である
食器が触れる音や機械が発する高い音が苦手である

いかがでしたでしょうか?
いくつ当てはまったら聴覚過敏である、とは言い切れませんが、2つ以上当てはまった方は聴覚過敏の傾向があるかもしれません。

当てはまった項目が多ければ多いほど、聴覚過敏の傾向が強いという参考にしていただければ幸いです。

聴覚過敏の症状

聴覚過敏の症状は、音に対する聞こえ方に問題があるということです。
その程度は人によってまちまちで、少し音が気になるくらいの人もいれば、寝込んでしまうほど辛く感じる人もいます。

聴覚過敏は、今もなお解明されていない点が多く残されています。
そのため、症状の程度や深刻さを正確に測ることができる基準はまだ存在しません。
ただ、わかっていることとして、以下のことが挙げられます。

周囲の不快な音を聞き流すことができない。
・騒音に敏感で、それを避けることができない。
・精神的な側面との関わりがみられる。

また、こういった聴覚過敏の症状は、耳鳴りを伴うこともあります。
この場合、耳鳴りは難聴が原因となるものではなく、「自覚的耳鳴り」といって聴力には異常がない耳鳴りとなります。

聴覚過敏の人が苦手な音

一般的に、聴覚過敏の人は、低い音よりも高い音が苦手だと言われています。
その中でも、尖った甲高い音が苦手な場合が多いようです。
以下が、聴覚過敏の人が不快になりやすい音の例です。

・子どもの声
・赤ちゃんの泣き声
・駅や街中での人ごみの声
人が継続的にする咳の音
体育館のような広く多くの人が集まる場所での声
BGMの音や館内放送
・救急車のサイレン
スーパーでカートがきしむ音
・エスカレーターが動く音
掃除機やドライヤーの音
水洗トイレの流れる音
食器が触れ合う音
・ドアの開け閉めやノックの音
キーボードをたたく音
・時計の秒針の音
ボールペンをカチカチとノックさせる音

列挙されただけでも多くの音が当てはまり、普通はなんでもない音が聴覚過敏の人にとってはつらいものだということがわかります。
中には、外に買い物に行くだけで疲れ果ててしまい、寝込んでしまう人もいるほどです。

繰り返しになりますが、聴覚過敏の症状や程度は人によって大きく異なります。
他の人にとっては「なんでもない音」なだけに、理解されずにストレスをため込んでしまう人も少なくありません。

聴覚過敏の原因

聴覚過敏の原因には解明されていない点が多くありますが、現在までにわかっていることをまとめると、大きく3つに分類することができます。
いくつかの原因が組み合わさって発症することも多いです。

耳によるもの

内耳性の難聴

内耳性の難聴には、突発性難聴やメニエール病などがあります。
これらの難聴に伴い、聴覚過敏が起きることがあります。
これは低下した聴力をカバーしようと補充現象が起こり、普通の音でも異様に大きく聞こえてしまうためです。

顔面神経麻痺

耳には、大きすぎる音を和らげる役割があり、それを担っているのが鼓膜の奥にあるアブミ骨です。
顔面神経麻痺が起こることで、アブミ骨が動かなくなってしまい、音が大きく響いてしまいます。

脳によるもの

てんかん・偏頭痛

てんかんや偏頭痛になると、脳の神経細胞が過敏になってしまい、必要な音とそうでない音を振り分けられなくなってしまうことがあります。
その結果、不快な音を含んだすべての音が耳に入ってきてしまい、非常にうるさく感じます。

発達障害

聴覚過敏は、自閉スペクトラム症やADHDなどの発達障害がある人が抱えやすい問題です。
これは発達障害のある人が定型発達の人に比べて、音を含む外部からの刺激に対して敏感であるからだと言われています。

心によるもの

ストレス

人間は過剰なストレスがかかると、自律神経が乱れてしまい、アドレナリンが過度に分泌されてしまいます。
これは聴覚過敏を伴う難聴や耳鳴りを引き起こし、ほかにも頭痛や肩こりを引き起こすこともあります。

うつ・抑うつ

うつ病や抑うつ状態のとき、自身を守るために脳が敏感になり、これまでは気にならなかった音が不快に感じられることがあります。
ただし、具体的なメカニズムは解明されていません。

聴覚過敏に耳栓は有効か

結論から言いますと、耳栓が聴覚過敏に有効であるとの研究はありません。
ある特定の周波をカットする耳栓は有効なのではないかといった声もありますが、科学的根拠はまだないです。

一方、耳栓をすることが聴覚過敏の慢性化の原因であるといった声もあります。
耳から入る音が減ることで脳がますます敏感になり、かえって症状が悪化するというものです。

しかしながら、症状によっては不快な音がとても辛く、我慢することができない場合もあります。
生活に支障をきたすほど辛いのに、耳栓をつけずにそれを我慢し続ける必要はありません。

不快な音が気になる場合、その場から離れたり他の音を聞くなど、まずは耳せんを使わずに対処するようにしましょう。
その上でどうしようもない場合は、耳栓をつけることも方法のひとつです。

聴覚過敏の治療法

聴覚過敏を治療する上で、注目すべきはその背後にある疾患です。
その疾患の種類によって、治療法や受診すべき医療科が変わってきます。
以下で、疾患ごとの治療方法や医療科を説明していきます。

耳によるもの

内耳が原因である聴覚過敏の治療には、耳鳴りの治療にも使われるTRT療法(Tnnitus Retraining Therapy)が良いと言われています。
これは音響療法とカウンセリングを組み合わせたものであり、とても高い有効率です。

TRT療法についてくわしくはこちら
【TRT療法】耳鳴りの正しい対処法とは?

また、補聴器による治療も有効であります。
聴力の低下によって脳の感度が上がっている場合、逆に音をしっかりと脳に送ることで、脳の興奮を抑えることができます。

原因が顔面神経麻痺の場合、主な治療方法は投薬です。
神経炎を抑制するステロイド薬、ウィルスを撃退する高ウィルス薬、神経に栄養を送るビタミン剤などを用います。

聴覚過敏の原因が耳によるものである場合、受診すべきは耳鼻咽喉科です。

脳によるもの

てんかんや片頭痛が原因であるとき、ほとんどの場合は薬物療法を受けることになります。
手術などの特殊な治療を行うこともありますが、そのようなケースは非常にまれです。

治療薬は大きく分けると、痛み止めと予防薬の2種類に分類されます。
これらの薬にはたくさんの種類があり、使い方も複雑です。
間違った使い方をすると症状が悪化することもあります。

自分だけで治そうとするのは避け、主治医としっかり相談した上で治療するようにしましょう。
聴覚過敏の原因が脳によるものである場合、受診すべきは神経内科です。

心によるもの

耳や脳に異常がなかったとしても、心理的な問題によって聴覚過敏が起こることもあります。
日常的にストレスを感じていないか見直して見ると良いでしょう。

聴覚過敏の原因が心によるものである場合、受診すべきは精神科・心療内科です。薬やカウンセリングによる治療が受けられます。

聴覚過敏の対策・予防

聴覚過敏を予防するには、できるだけ生活習慣を見直し、ストレスをためないようにすることが大切です。
また、ノイズキャンセリングイヤホンを使用することで、人の声が気にならなくなることも。

仕事をする場合は、音が少ない環境で仕事をしたり、家では余計な音が響いて不快感を減らすためにも、家具にフェルトカバーをつけたり、ラグを敷くなどの対策を取ることで改善する場合もあります。

また、普段の生活に少しの工夫を加えることで、少しでも快適に過ごせる場合もあります。
テレビを無理に聞こうとせず、消音にして字幕を見たり、買い物ではネット通販を利用するのも方法のひとつです。

周囲からの誤解

聴覚過敏は見た目ではわからず、理解されにくいのが現状です。
「我慢できないの?」「いずれ慣れるよ」などと言う人も残念ながらいるかもしれません。

しかし、当人にとってその不快さは大問題です。
その音のせいで生活に支障が出ている人もたくさんいます。
聴覚過敏とは耳や脳、心の問題であるため、「気の持ち方」や「慣れ」でどうにかなるものではありません。

聴覚過敏になってしまったら、周りの人に症状を説明し、サポートを求めるようにしましょう。
また、周りの人も当人の辛さを理解し、サポートするようにしましょう。

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まとめ

聴覚過敏は、一般的には治りにくいものだと言われています。
しかし、原因を見つけ、それに応じた治療をすることにより、症状が改善するケースもたくさんあります。
自身の症状に合った治療や対策を心がけるようにしましょう。

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