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耳鳴りと難聴

更新日:2023.11.13

難聴にはどんな種類があるの?

難聴にはどんな種類があるの?

「難聴」と一言に言ってもその種類は様々で、症状や聞こえの状態が異なります。
今回は難聴にはどのような種類があるのか、また種類ごとに見る症状や聞こえの目安について解説していきます。
難聴について不安がある方はぜひ最後までお読みください。

「難聴」は誰にでも起こりうるの?

難聴とはその名の通り、「耳がきこえにくい状態」を指します。
「難聴」と聞くと、「お年寄りになってから、なるのでは?」と思う方も多くいらっしゃるかと思います。

実際に、一般的に高音域の聴力から始まるとされている『加齢性難聴』は、40代から進行し始めますが、なかなか自覚しづらいものなので、早期から対策・予防することが重要です。

難聴について正しい理解をして、正しいケアをすることで、少しでも聴力の低下を防ぎ、自分の耳を大切にする習慣をつけましょう。

難聴の程度は大きく分けて4つ

難聴は一般的に程度によって、4種類に分類することができます。
ご自身でわからない場合は、一度耳鼻科医にご相談ください。

軽度難聴(平均聴力レベル/30dB以上-50db未満)

日常生活を送る上では特に大きな問題はありませんが、小さい声での会話が聞き取りにくかったり、日常会話でも聞き返すケースが多くなります。
年代問わず多くの方が、「難聴かな?」という自覚症状がなく生活しています。

現在では、例えばヘッドホンやイヤホンを使い大音量で音楽などを聴き続けることにより起こる、「イヤホン難聴・ヘッドホン難聴」がその一つです。
少しずつ進行していくために初期には自覚しにくく、とはいえ失ってしまった聴覚は戻りません。

中等度難聴(平均聴力レベル/50dB以上-70dB未満)

多くの方が、「難聴かな?」という自覚症状が出てきます。
例えば、通常のTVの音量、周りの人の会話、話しかけられた時に対し、聞き取れないことが多くなります。

さらに症状を悪化させないためにも、一度医療機関にご相談ください。
この時点での補聴器の使用が非常に有効的になります。

高度難聴(平均聴力レベル/70dB以上-90dB未満)

耳元で大きな声で話しかけられない限り、内容を理解することができません。
自分の耳のきこえ方、周波数に合わせた補聴器の使用が必要になってきます。
心当たりのある方は、なるべく早めに医療機関での診察を受けることを推奨します。

重度難聴(平均聴力レベル/90dB以上)

聞くことができる音は、100dB以上の音に限られます。
例えば、飛行機のエンジン音や、自動車のクラクション音、ガード下の電車が通る音です。
高度難聴までくると、本人との会話での意思疎通が難しいため、周りの人たちの支えが重要になってきます。
まずは、医療機関での診察を受け、医師の指示を仰ぎましょう。

難聴の種類は大きく分けて3つ

難聴の種類は、難聴が起こる原因箇所によって、大きく分けて3つ存在します
まず、耳のしくみを理解しておく必要があります。

耳は、外から音を集めて鼓膜まで伝える外耳、外耳で集めた音を増幅する中耳、音の振動を電気信号に変換して脳に伝える内耳の3つから成り立っています。

外耳、中耳(目で見える部分から鼓膜まで)に原因のある「伝音難聴」

伝音難聴は、外耳や中耳になんらかの障害があることで起こります。
薬を飲むことで改善されたり、一方で手術によって改善されるものもあります。
治療が難しい場合でも、正しく補聴器を着用し、適切に音を内耳まで届けられれば、問題なく聞こえることが多いです。

以上を踏まえ、耳鼻咽喉科を受診し、医師の適切な診察を受けてください。

内耳、脳、蝸牛神経に原因のある「感音難聴」

感音難聴は、内耳や、脳、あるいはその2つを繋ぐ、脳神経の1つである蝸牛神経の障害によって起こります。

具体的には、突然生じる突発性難聴などや、慢性的に生じる騒音性難聴・加齢性難聴、生まれつきの先天性難聴など、発症時期や進行状況によっても様々な種類があります。
急性難聴は薬物治療で改善したり、騒音性難聴は予防がより重要になったりと、早期からの対策がより重要になってきます。

また、最初に述べた「加齢性難聴」は、現在では劇的な治療方法は存在しませんが、補聴器を正しく使い、聞こえを補うことで、認知症予防になったり、生活の質の向上に繋がったりすることができます。

伝音難聴と感音難聴の2つが合併して生じる「混合性難聴」

先に挙げた2つの難聴が合併し、「混合性難聴」を生じることもあります。

それぞれの症状をよく理解したうえで、医師から適切なアドバイスをもらい、正しく治療を受け、補聴器を使用する必要があります。

人それぞれの難聴に合わせたケアが大切

これまで、難聴の程度やパターンによって様々な種類の難聴をご紹介しましたが、正確に申し上げると、難聴の種類は人によって異なり、その分だけ存在します

一番大切なことは、自分がどの程度の難聴で、どの種類のパターンの難聴なのかを正しく理解することです。
また、自覚症状がなくても、難聴は進行していることが多くで、これらを解決できる1つの手段は、「医療機関での診察を受けること」です。

医師の意見をよく聴きながら自分に合う補聴器の使用や、正しい治療を受けることをお勧めします。

まとめ

今回は難聴の種類を程度と原因箇所について解説しました。
記事をまとめると要点は以下のようになります。

①難聴は誰にも起こりうる病気
②難聴は程度によって「軽度難聴」「中等度難聴」「高度難聴」「重度難聴」の4つに分けられる
③難聴は原因箇所によって「伝音難聴」「感音難聴」「混合性難聴」の3つに分けられる
医師のアドバイスのもと、一人一人に合わせた正しいケアが大切

【参考文献】
http://www.jibika.or.jp/owned/hwel/hearingloss/#mechanism(一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 『聞こえのしくみ』)
http://www.jibika.or.jp/owned/hwel/news/013/ (一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 『聞こえを良くするための難聴改善手術とは?』)

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