耳鳴りと難聴
更新日:2024.03.12
伝音性難聴とは?症状や原因、感音性難聴との違いについて解説
「難聴」は、高齢の方ばかりに起こる現象ではありません。
生まれつき聞こえにくい人もいれば、病気などによって大人になってから難聴を発症することもあります。
ここでは、伝音性難聴とはどのような難聴なのか、その症状や原因をご紹介します。
目次
難聴は3つに分けられる
「難聴」とは、耳が聞こえにくい状態のことを指します。
これは、決してご高齢の方ばかりに起こるものではありません。
そして、難聴は大きく分けて「伝音難聴」「感音難聴」「混合性難聴」の3つがあります。
それぞれ、原因や特徴、治療などの対処のしかたが変わってくるため、まずはその違いを理解する必要があるでしょう。
難聴の種類についての詳しい内容は、こちらも参考にしてください。
関連記事:難聴にはどんな種類があるの?
伝音性難聴とは
伝音性難聴とは、外耳または中耳の異常によって、音が聞こえにくくなる難聴のことを指します。
まず、耳の構造についておさらいしておきましょう。
耳は、大きく分けて外耳・中耳・内耳の3つで構成されています。
私たちの目に見える耳の部分から鼓膜までが外耳です。
そして、鼓膜よりも内側の骨に囲まれた小部屋のような部分が中耳です。
さらに奥の骨に埋もれている三半規管がある部分を、内耳と呼びます。
音は、外耳から中耳、内耳へと伝わり、それが脳に伝わってはじめてどんな音なのかを理解することができます。
その過程では、さまざまな器官の働きがあり、どこかに支障を来すと聞こえにも影響します。
伝音性難聴の主な原因
それでは、伝音性難聴が起こる原因について、詳しく見ていきましょう。
伝音性難聴の原因が外耳にある場合
外耳に何らかの原因がある場合は、以下のような病気や障害、状態が影響している可能性があります。
閉塞
耳垢が詰まったり、異物が詰まったりして耳の穴が塞がれてしまうと、内耳に音が届きにくくなります。
詰まりを解消すると、聞こえが良くなることもあります。
感染症や病気
外耳炎や外耳道外骨腫などによって耳の穴が塞がり、伝音性難聴につながることもあります。
障害
耳の穴が塞がっている外耳道閉鎖症によって伝音性難聴になることもあります。
これは、生まれつきの先天性のものだけでなく、炎症や外傷、手術などが原因で発生する後天性のものがあります。
伝音性難聴の原因が中耳にある場合
中耳に原因がある伝音性難聴は、以下のようなものがあります。
鼓膜の異常
何らかの原因によって、鼓膜が破れてしまい、そのまま塞がらずに穴が開いたままになることを、「鼓膜穿孔(こまくせんこう)」といいます。
本来、鼓膜は外耳で集めた空気の振動をキャッチして、それを内耳に伝える役割をしていますが、穴が開いたままではその働きが鈍くなり、伝音性難聴の原因となります。
耳の感染症による液体の蓄積
耳の感染症によって鼓膜の奥に液体が溜まると、鼓膜の動きが妨げられるほか、内耳にある骨の動きも悪くなります。
すると、音が伝わりにくくなり、難聴につながるのです。
耳小骨離断
内耳には、耳小骨という小さな骨が3つあります。
これらの骨が損傷を受けて繋がりが遮断されると、難聴につながる可能性があります。
病気や障害
中耳に起こる病気には、良性腫瘍や耳軟化症、真珠腫などがあります。
これらの病気によって難聴が起こる場合も珍しくありません。
耳管機能障害
中耳と鼻の奥をつなぐ「耳管」という器官は、内耳の気圧を調節したり粘液などを鼻の奥に排除したりという役割を担っています。
この機能がはたらかなくなると、内耳に圧がかかりっぱなしになり、粘液などが排出できないことで、難聴を引き起こす場合があります。
伝音性難聴の症状
次のような症状が当てはまる場合、伝音性難聴の可能性があります。
・耳が塞がっている感じがする
・音がこもって聞こえる
・大きな音は聞こえるが、通常の音が聞こえにくい
・片側の耳だけよく聞こえる
・聞き間違えることが多い
・後ろから呼ばれても気づかない
これらの症状がある場合は、まずは病院を受診して医師の診察を受けることをおすすめします。
聞こえにくさの対処のしかたは原因により異なるため、医師と相談しながら検討していきましょう。
伝音性難聴ってどう聞こえる?
伝音性難聴では、その程度によって聞こえ方や日常生活への影響度が変わってきます。
軽度の場合
主に日常生活であちこちに存在する小さな音が聞こえにくくなります。
たとえば、人が呼吸をする音、風が吹いて木がなびく音、猫がゴロゴロと喉を鳴らす音などです。
人との会話は、静かな環境なら問題なく行えることも多いですが、人混みの中での会話は難しいかもしれません。
ヒソヒソ話には気づきにくくなるでしょう。
軽中度の場合
静かな場所でも、人との会話には努力が必要になります。
多くの言葉が聞き取りにくくなったり、聞き間違えをしたり、車道のそばやショッピングセンター等、雑音が多い場所では日常会話も難しくなることが多いです。
中高度の場合
テレビやラジオは、通常の音量では聞き取れなくなるでしょう。
雑音の多い場所での会話は困難になります。
目覚まし時計等のアラームの音が聞こえなかったり、子どもの遊ぶ声が聞こえにくくなったりする可能性もあります。
高度の場合
耳に口元を近づけるような距離で話しかけられても十分に聞き取ることが困難で、会話の内容を理解することが難しいでしょう。
救急車のサイレンや車のクラクションなどの大きな音は認識することができますが、日常生活のほとんどの音が聞こえていない状態です。
伝音性難聴の治療方法
伝音性難聴の場合、その原因によっては治療で聴力が戻る場合もあります。
まずは専門医を受診しましょう。治療方法は原因により異なり、例としては以下のようなものがあります。
・投薬
・耳垢や異物の除去
・腫瘍の摘出などの外科的な処置
・人工内耳
・補聴器
伝音性難聴と感音性難聴の違い
伝音性難聴は、原因によっては治療が可能な場合もあります。
一方、感音難聴は内耳やそれより奥の中枢の神経系の異常によって生じる難聴であり、単に音が聞こえにくいというだけでなく、音の内容も把握しにくくなることがあります。
関連記事:感音性難聴に補聴器の治療は良いの?原因や治療法も紹介!
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まとめ
伝音性難聴は、外耳または中耳に何らかの原因があり、音が聞こえにくくなる難聴です。
治療によってはもとの聴力に戻る場合もあるため、聞こえにくさを感じたらまずは専門医への受診をおすすめします。