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補聴器と集音器

更新日:2023.11.16

補聴器ってなに?その構造・メリット・デメリットを知ろう

補聴器ってなに?その構造・メリット・デメリットを知ろう

補聴器はどんな人がどんな時に必要とするものなのでしょうか?
ここでは、補聴器の仕組みを知り、使う際のメリットやデメリットについても見てみましょう。

補聴器は「難聴」の人のためのツール

補聴器は、耳が聞こえづらくなった、つまり「難聴」の人が生活する上で周りの音を聞こえるようにお手伝いをしてくれるもの。
人との会話、電話やインターホンの音、外出先での車やバイクの音など聞こえないと困るような音を大きくして耳に届けてくれます。
また、騒音や衝撃音などの大きな音をそれ以上大きく聞こえないようにする役目も果たしてくれるのです。

補聴器と聞いて、「ラジオみたいなものを携帯しないとならずなんだか不便そう」「耳から大きなイヤホンがはみだしてるように見えて不恰好」など、マイナスなイメージを思い浮かべる人がいるかもしれません。
しかし最近の補聴器はデザイン性も機能性も充実しており、使う人のニーズに適ったタイプが選べるように進化しています。

難聴には耳のどの部分の働きを補うかによって3タイプに分けられ、補聴器もその症状に応じて選ぶことになります。
そのため、補聴器を使う時には耳鼻咽喉科の診断が必要となり、その後補聴器専門店で購入しなければなりません。
自分で判断せずに専門家の指示を仰ぐことが大切です。

補聴器の仕組みについて知ろう

補聴器は本体が大変小さいにもかかわらず、その中には「入ってきた音を予定通り調整して耳の中に届ける」という高性能な作りが詰まっています。
最近の補聴器の主流は「デジタル補聴器」ですが、基本的には、マイク、アンプ、レシーバーの三カ所が重要な役割を担っています。

■マイク

音の入口となるマイクは小さなサイズで設計されているものの、使用者に必要な音をすべて拾うという大役が課せられています。
補聴器のタイプによっては、こういったマイクを2つ導入し、背後や正面など音を拾う範囲を調整することも可能です。
また、これらの音を電気信号に変換し、それをアンプに届けています。

■アンプ

マイクから入ってくる音を増幅させる役割を担っています。
入って来た音を単純に大きくさせる機能だけではなく、音の強さや高さ、雑音を感知し、自然な音になるよう加工する機能もあるのです。
そのため、難聴の人にとって最も大きな課題となりやすい「雑音の中での会話の難しさ」を和らげ、相手の言葉がより聞こえやすくなるよう工夫されています。

■レシーバー

マイク→アンプを通して伝えられた音の電気信号がここで音に戻されます。
いわゆるスピーカーと同様で、その音が鼓膜に届き聞こえてきます。
ここでは、使う人の聴力に応じた調整ができるようになっています。

これら3つの主機能は、どれも高性能な技術が詰まっており、補聴器は日々進化を遂げているのです。

どうやって補聴器の必要性を判断する?

難聴は、突発性難聴のように突然聞こえなくなるものもありますが、自分の気付かぬうちに徐々に進行することがあります。
最近、相手の話を聞き返すことが多くなったな、と感じたらまずは耳鼻咽喉科を受診して、難聴かどうかの診断を仰ぎましょう。

なかでも、「補聴器相談医」に認定された医師に受診するのがおすすめです。
補聴器販売店とも提携しているため、適切な助言のもとで自分にあった補聴器を手に入れられます。
以下の項目に当てはまるものがあれば、耳鼻咽喉科に相談してみましょう。

・聞き間違えをしてしまう
・耳鳴りがする
・電化製品の高い音が聞こえない
・車やオートバイの音がよく聞こえず危ない思いをする
・話し声が大きくなる

難聴は年齢を問わず発症する可能性があるものですので、「まだ高齢ではないから」と補聴器をつけるのを先延ばしにせず、必要だと判断されたときに購入することが大切です。
先延ばしにして、聴覚に刺激が与えられなくなることで難聴の症状が悪化してしまうこともあるので注意が必要です。

補聴器はどんな時に必要?

補聴器は難聴による聞こえづらさに悩む人にとって、あらゆる生活場面で役立つツールです。
具体的には、人と会話をする時に相手の声の聞こえづらさを緩和し、コミュニケーションを快適にしてくれます。
また、映画やテレビを見たり音楽を聞いたりする際に、難聴の人は音が歪んで聞こえてしまい、かえって苦痛に感じることがあります。

聞こえに不便を感じない方にとっては、インターホンが鳴ればすぐに対応ができ、車が後ろから近づいてきたら車の音が聞こえるため、すぐによけることもできるでしょう。
しかし、難聴になると、そういった日常生活でも一層の注意が必要になるなど、不便さを感じることもあるかもしれません。
補聴器は、そういった生活の質を保つために、難聴の人を支えてくれるのです。

補聴器に期待できるメリットとは?

難聴になると、聞こえないことが原因で人との関わりを避けるようになってしまったり、外出先で車の音が聞こえないなどの危険を感じて、外出を避けてひきこもるようになってしまったりと、孤立してしまう傾向が強くなります。

しかし、補聴器の使用によって「生活していくために聞こえなければ困る音」が十分に聞こえるようになり、「聞こえない」ことを理由にあきらめていたことにも挑戦できるようになります。

また、特に難しい「騒音の中での会話」にも対応できる補聴器を使うことで、以前のように外で人と会うこともできるように。
このように、補聴器は難聴の人のコミュニケーションを助け、意欲を向上させ前向きに生きる手伝いをもしてくれるのです。

補聴器のデメリットとは?

補聴器は個人の聞こえに合わせて調整が必要になる、とても繊細な製品です。
さらに、高性能な機能を搭載しているため、一般的には片耳10万円〜50万円と価格が高くなりがちです。
補聴器の寿命はご利用環境によっても様々ですが、一般的には5年を買い替えの目安とされる方が多いようです。

また、高価なものでは完全防水機能が備わっているものの、一般的には水に弱いため、お風呂や洗顔、大雨の時などは取り外さなければならないものがほとんどです。

このように、高性能な精密機器であるからこそデメリットもありますが、そのメリットを鑑みれば、それだけの価値があることにも納得がいくはずです。

まとめ

補聴器は、難聴と診断された方が普段通り生活するための大事なアイテムです。
メリット・デメリットを把握した上で、自分に合ったものを選択するようにしましょう。

ミミマガジン編集長

大竹 舞

Mai Otake

新潟県出身。保険診療・自由診療の医療機関で接遇・販売を経験したのち、マーケティング部門でオウンドメディアの運用を担当。その際に突発性難聴を発症(現在は完治)。オリーブユニオンに入社後はマーケティング部に所属。自身の難聴経験を活かし、幅広い世代が抱える耳鳴りや難聴の悩みに対して、“わかりやすく、かつ身近な問題として感じてもらえる”をテーマに、ミミマガジンの運用・コラムの執筆にあたる。

大竹 舞

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