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耳鳴りと難聴

更新日:2023.11.13

突発性難聴の耳鳴りの特徴は?原因・治療方法を解説

突発性難聴の耳鳴りの特徴は?原因・治療方法を解説

ニュースなどで目にすることもある「突発性難聴」ですが、耳鳴りのほかにどのような症状を伴うものなのでしょうか?
また、どんな年齢の人に、どんな原因で起きるのか、その治療法や防止対策の有無などについて見てみましょう。  

突発性難聴の症状とは? 

突発性難聴とは、ある日突然、朝起きて耳が聞こえにくくなったり、電話での相手の話し声が聞きづらいといった症状が片耳に起こるものです。
耳鳴りやめまいや吐き気、耳閉感を伴うこともあります。

難聴の程度には個人差があり、耳が詰まった感じがする軽度なものから、注意しないと相手の声が聞こえにくいといったもの、また、呼ばれた声に全く気付かないほど重度のものまであります。

40~60代に多いとされる一方で、年齢を問わずかかる傾向にあり、30代のケースも多数報告されています。
最近では10代〜20代の若い人にも増加傾向にあるようです。
厚生労働省調べでは、突発性難聴の治療を受けた患者数は、1993年には24,000人でしたが、2001年には35,000人に増えたという記録があります。

突発性難聴の前兆としてよく報告されているものには「耳が詰まった感じがする(耳閉感)」「音が二重に聞こえる」「音が響き、エコーがかかる」などがあります。
風邪の時に見られる症状でもありますが、このような状態が続いたらすぐに耳鼻咽喉科の受診をしましょう。  

突発性難聴の耳鳴りに特徴はある? 

疲れている時などに数秒で止む耳鳴りは、いつ起こったかということについて記憶に残らないことがほとんどです。
また、耳鳴りが癖になっている場合にも、それが起きた時の状況などを思い出せないことが多いもの。

しかし、突発性難聴が原因となっている耳鳴りは、ほとんどの場合片耳に突然「キーン」と大きい耳鳴りがするため、いつ・どんなことをしている時に耳鳴りが起こったのかを説明できるほど、突然起こるという点が特徴です。  

突発性難聴と間違えやられすい疾患 

突発性難聴は、突然の耳鳴りや難聴、耳閉感やめまい、吐き気などが特徴的ですが、以下2つの難聴や耳鳴りを伴う疾患と間違えやすく、対処法も異なるため、あらかじめ知っておくといいでしょう。

急性低音障害型感音難聴(蝸牛型メニエール病)

低音域の音だけが聞きとりにくく、「ブーン」「ゴーッ」といった低音の耳鳴りが突然発症します。
耳に水が入ったような感じや、周りや自分の声が響いたり、軽いふらつきが出たりすることもあります。
20~30代の若い世代で多くみられるようです。

内耳の蝸牛にあるリンパ液の流れが滞り、内リンパ水腫が原因ではと考えられていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
メニエール病と間違えられやすいですが、何度も再発することはあまりないとされています。

原因ははっきりと分かっていませんが、過労やストレス、睡眠不足が続くことで起こると考えられ、十分な休養を取ることが大切です。

メニエール病

耳鳴りとともに、回転性または浮動性のめまいを繰り返します。
めまいは10分から数時間続く発作があり、耳の症状も低音が聞こえづらくなったり音が響いて聞こえたりします。
ただ、「突発性難聴」が1回しか起きないのに対し、メニエール病は何度も繰り返して症状が現れることが特徴です。

内耳の蝸牛にリンパ液が過剰にたまることで水ぶくれをおくしてしまう「内リンパ水腫」が原因とされており、投薬治療で改善することもあるが、ストレスも影響を及ぼすため、めまいの発作とうまく付き合いながらストレスを溜めない生活を送ることが大切です。

突発性難聴の原因は?

音の振動は、内耳の蝸牛にある有毛細胞によって伝えられますが、そこがダメージを受けることによって突発的に耳が聞こえなくなります。
ただ、突発性難聴の場合、どうしてこの有毛細胞が傷つくのかの原因がはっきりとは解明されていないようです。

ただ、発症前に疲れを感じていたケースが多く報告されており、風邪、高血圧、心疾患、糖尿病、はしかなどの病気にかかっているときに起きやすいとされています。
現在のところ、ウィルス感染と、内耳の循環障害の二つの原因があると考えられています。

ウィルス性内耳炎

ウィルス感染説には、突発性難聴を発症する前に風邪にかかっていた人が多いと報告されていること、一度発症したら再発しないことから、ウィルスに帯する免疫が作られていることが分かるという裏付けがあるようです。
しかし、どのウイルスが発症の原因になるかは特定されていません。

内耳循環障害

内耳の血液のめぐりが悪いことで内耳の血管が詰まったりすることで、内耳が正常に機能しなくなるのではないかと考えられています。
これは、突発性難聴の治療に、血管拡張剤など血液の循環を改善する投薬治療が有効であることが根拠となっています。

また、突発性難聴の発症前に、多くの人がストレスや疲れを感じていたという報告もあることから、ストレスが引き金になる可能性も考えられています。  

突発性難聴は投薬で治療が見込める

突発性難聴は、一般的に1週間から1カ月の投薬治療が行なわれます。
治療には、内耳の炎症を抑えるステロイド剤や、神経系の障害を緩和するビタミン剤、内耳の血液の循環を改善するための血管拡張薬などを内服します。

治療が長くなるかどうか、また困難になってしまうか否かは、発症後どれだけ早く耳鼻咽喉科を受診するかどうかにかかってきます。
突発性難聴には健康保険が適用されています。

突発性難聴は、発症後一週間以内に受診することが大切です。
発症から1~3ヶ月間を経過すると、聞こえが固定され回復が難しくなるとされています。

早めの治療が大切な理由として、突発性難聴にかかると、治療後であっても後遺症を訴えるケースが多いこともあります。
この場合、耳鳴り、めまい、難聴などが残ることもあるようです。

一般的に、3人に1人は完治ができ、3分の1はある程度の改善までが望め、残りの3分の1は聴力の改善ができなくなり、難聴や耳鳴りが残る場合は補聴器を使用することが勧められることもあります。

突発性難聴は予防できる? 

突発性難聴の発症前に、ストレス、過労、睡眠不足を訴える人が多いことから、まずはストレスをためない生活スタイルを心がけることがいちばんの予防になるでしょう。
ストレスや過労が続くと、交感神経が過剰に働く状態が続くことになり、自律神経のバランスを崩してしまいます。

そのため、なるべく副交感神経が優位な状態を作れるよう、リラックスできる時間を意識的に設けることが大切です。
例えば、趣味や気晴らしの時間を設けたり、適度な有酸素運動もおすすめです。  

まとめ

ストレスや疲れをためてしまうことで起こると言われている突発性難聴ですが、耳鳴り、難聴、吐き気などの症状が現れたら、発症後1週間以内に受診をすることがまず大切です。
普段から規則正しい生活を送り、ストレスを溜めすぎないよう趣味や運動の習慣を持つことが予防になるでしょう。

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